前回、前々回と、AIで広告業界の仕事がどのように変化していくのかという記事を書きました。
前回の記事の最後で『より高度な「戦略設計者」「データ分析者」「クライアントマネージャー」として進化するのではないでしょうか』と記載しました。なので、すでに需要は高まっていますが、GA4(Google Analytics 4)のデータ解析技術や知識は、広告運用者として非常に重要であり、今後も需要が高まると考えられます。GA4は従来のUniversal Analyticsと異なり、ユーザーの行動をより細かく追跡し、機械学習を用いた予測モデルなど、より深いインサイトを得られるようになっています。そのため、GA4を使いこなすスキルは、データ主導の広告運用に不可欠です。
GA4を学ぶことでのメリット
- ユーザー中心の解析
- GA4は、ウェブやアプリをまたいだクロスデバイス解析に強みを持っており、ユーザー行動を統合的に理解することができます。これにより、より正確なターゲティングや、カスタマージャーニー全体の最適化が可能です。
- イベントベースのデータ収集
- GA4はイベントベースでデータを収集するため、コンバージョンやユーザー行動の追跡をより柔軟に行えます。広告の効果測定やファネル解析がより精密にできるようになり、より効果的な広告戦略を構築するための材料を提供します。
- AIを活用したインサイト
- GA4にはAIを活用した予測機能(例えば、購入や離脱の可能性)も搭載されており、これを活用すれば、広告予算の配分や戦略の立案において非常に有利です。
他に持っておくべき知識・技術
では、GA4の他にも持っておくべき知識などはあるのでしょうか。必要なものに加え、持っていたら他に差別化できるものまで、ご紹介します。
- データ解析スキル(特にSQLやExcel)
- GA4などのツールに加え、データベースから直接データを抽出し、分析する能力も今後は重要です。SQLはデータ解析の基本となる言語であり、ビジネスインテリジェンスやデータベース管理の分野で広く使用されています。また、ExcelやGoogleスプレッドシートの高度な機能(ピボットテーブル、マクロ、関数など)も、日々のデータ分析で役立つスキルです。
- タグマネジメントの知識(Google Tag Managerなど)
- Google Tag Manager(GTM)は、広告キャンペーンやウェブサイトでのユーザー行動をトラッキングするために欠かせないツールです。広告運用者は、GTMを通じて正確なデータを収集し、GA4や他の分析ツールにデータを送ることができるため、運用の効果測定を高度に行うことができます。
- 機械学習とAIの基礎知識
- 広告運用の自動化が進む中で、機械学習やAIの基本的な仕組みを理解することは、特にスマート入札やデータ解析で有利です。機械学習のアルゴリズムがどのように働くかを理解することで、AIベースの入札やターゲティングの効果をより正確に把握し、調整できるようになります。
- デジタルマーケティング全般の知識
- 広告運用だけでなく、広範なデジタルマーケティングの知識(SEO、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングなど)も重要です。データドリブンの広告戦略だけでなく、他のデジタルチャネルを統合した全体的なマーケティング戦略を立案・実行できる能力が求められます。
- プライバシーと規制に関する知識
- クッキーの規制や個人情報保護に関するルールが強化されているため、プライバシー保護法(GDPR、CCPAなど)やクッキーレス広告の知識も重要です。GA4はクッキーレスな未来を見据えた設計がなされているため、こうした規制に対応するスキルはますます重要となるでしょう。
- HTML/CSSやJavaScriptの基礎
- 広告運用者がコードを書く機会は少ないかもしれませんが、ウェブページ上で広告タグを実装したり、トラッキングを設定する場面で、HTML/CSSやJavaScriptの基本的な知識があると、技術チームとの連携がスムーズになります。
まとめ
GA4を含むデータ解析のスキルは、今後も広告運用者として活躍するための基盤となります。それに加えて、データ分析、タグマネジメント、機械学習、プライバシー規制、広範なデジタルマーケティングの知識を備えていれば、より価値の高い人材として市場で必要とされ続けるでしょう。