使えるアカウントが増加してきているGoogle広告の「AI Max」機能。
利用するにあたって「成功事例を見たことがない」ために、実施を足踏みしている方も多いのではないでしょうか。
この記事では筆者が実際に「AI Max」を使ってみた所感をお伝えします。
また、どの配信手法を選ぶべきか迷っている方は下の記事を読んでみてください。
実施方法
今回はテスト機能を使って配信してみました。基本的には新機能はまずはテストを使って試してみます。
以前P-MAXで「検索テーマ」が実装された際に、既存のアセットグループで実施したら、めちゃくちゃ成果が悪化したことがありまして…その反省から新機能に関してはテストなどを使って既存の成果に影響しないように実施するようにしています。
テストを使うので、大前提として「クエリの除外は実施してある」状態での配信です。
ここが結構重要だと思っていまして、インテントマッチのようにクエリの拡張がされるので、ある程度整えた上で配信をしないと、全く関係の無いクエリに対しても配信がされる可能性もあります。結果、成果が悪くなる、ということにつながってしまうでしょう。
また、Googleのデータにもありましたが、マッチタイプは「完全一致」「フレーズ一致」の方が成果に繋がりやすとあったので、今回はそのまま「完全一致」「フレーズ一致」を使用しています。
For campaigns mostly using exact and phrase keywords, the uplift can reach 27%.
https://searchengineland.com/googles-ai-max-search-ginny-marvin-455582
実施するのは簡単で、キャンペーン設定で「AI Max でキャンペーンを最適化する」をONにするだけです。

ここで注意点です。
AI MaxだけをONにすることも可能ですが、今回は「アセットの最適化」も合わせてONにしています。この場合予期しないテキストが広告で表示される可能性があるので、使用の際には注意しましょう。
自動作成アセットについて
https://support.google.com/google-ads/answer/11259373?_gl=1f4yd7n_gaMzExMDY4NjMuMTcwMTkyMTI1Mg.._ga_V9K47ZG8NP*czE3NTMyNDg5MTMkbzE2OCRnMCR0MTc1MzI0ODkxMyRqNjAkbDAkaDA.
検索クエリに対して適切な広告を表示してくれるのであれば、CTR・CVRの改善にも繋がるのでは?ということで今回はONで実施しています。
設定内容をまとめるとこんな感じです。
- テストキャンペーンを使って配信
- あらかじめクエリの除外は事前に実施
- マッチタイプは完全一致とフレーズ一致
- 入札は「目標コンバージョン単価」
- アセットの最適化もON
結果
1ヶ月間実施した結果が以下になります。

CV数の増加、CPAの改善を目標に実施していたので、テストの成果としては成功と言えます。
しかし実施期間中に、入札(目標コンバージョン単価)の調整を随時実施していたので、CPCの差による影響が大きくなっています。(CVRはそこまで大きく変わらず)
テストキャンペーンでは「他社サービス名」も拾ってくることから、CTRは低くなっています。またテスト元のキャンペーンではマッチタイプで絞り込んでいることもあり、クエリの拡張はほぼ無く、広告文とマッチしたクエリに対して表示されるためCTRが高くなりました。
そして以下が管理画面で確認できる検索語句の画面ですが、
- マッチタイプに”AI Max”というものが出てくる
- キーワードが”-”になる検索語句もある(おそらくアセットの最適化をONにしているとこうなる。動的検索っぽい挙動)

こんな感じで、AI Maxによる成果が見えるようになっています。
クライアントのアカウントのため検索語句やキーワードの詳細はお見せできないのですが、AI Maxによるクエリの拡張はほとんど発生しませんでした。つまり、AI Maxを使用したことによる恩恵は受けておりません。CV獲得クエリもキーワードとして登録しているものでした。
上記で、「AI Maxによるクエリの拡張はほとんど発生しませんでした。」と言いましたが、おそらくこれはあらかじめクエリの除外を事前に実施していたからだと思います。実際には除外しきれていなかった他社サービス名を拾ってきていることはありました。(インプレッション1とか2ではありますが)
ただ、このアカウントでは”本来の目的とは違うクエリを拾う”ことがインテントマッチでは多々あったのですが、AI Maxによる配信ではそういったことはありませんでした。つまり本来のインテントの意味に近い配信ができているような印象を受けました。(商材・サービスにもよるかと思います)
総評
個人的には、今はまだ使用することによるメリットはそこまで無いかなと感じています。
使用する場面としては、「これまで完全一致やフレーズ一致で運用してきて、より広いクエリへのアプローチをしたい」時くらいでしょうか。インテントマッチよりは変な拡張の仕方はしない印象、且つ完全一致やフレーズ一致をベースにするので、最悪の場合戻しやすいですしね。
是非、この記事を参考にAI Maxを利用してみてください。もし成功事例などがあったら共有いただけますと幸いです。