Google広告のP-MAXキャンペーンは、検索・ディスプレイ・YouTubeなど、Googleのすべての在庫に配信できる強力なキャンペーンです。ただし「完全自動化」ゆえに、どんな検索に広告が出ているか見えづらく、コントロール感が薄いのが難点でした。
そこで登場したのが「検索テーマ」。これは従来の「検索広告のキーワード」とは違い、広告の表示先を強制するものではなく、機械学習にヒントを与える“方向づけ”の機能です。
本記事は2部構成でお届けします。
- 第1部:初心者向け – 検索テーマの基礎を理解する
- 第2部:実践者向け – 成果を最大化する活用術
※本記事の画像はAIで生成しているため一部変なところがあります。

第1部:初心者向け – 検索テーマの基礎を理解する
検索テーマとは?
検索テーマは、ユーザーが検索するであろう言葉を広告側に「こういう検索に出したい」と伝えるためのものです。
ただし従来の検索キャンペーンの「キーワード」とは異なり、完全一致で広告が出るわけではありません。GoogleのAIに対して「こういう方向性で学習してほしい」というシグナルを送るイメージです。
設定方法(かんたんガイド)
管理画面からP-MAXキャンペーンのアセットグループに入り、「検索テーマを追加」の欄に入力するだけです。
- 入力できるのは「キーワードに近いフレーズ」
- 文字数制限あり(80文字)
- 1アセットグループごとに最大50個まで登録可能
すでに配信中の場合は、検索語句レポートからコンバージョンが発生しているものをメインに設定するのが良いでしょう。

基本的なメリット
- 広告表示の方向性を指定できる
- 関連性の低い検索を減らせる可能性がある
- ビジネスに直結しやすい検索ユーザーに届きやすい
初心者が気をつけること
- キーワード広告と同じと思わないこと
→ 入れたからといって必ず出るわけではない - 入れすぎないこと
→ 機械学習の幅を狭めすぎるリスクあり - 必ず結果を確認すること
→ 検索語句レポートで出ている検索を定期的にチェック
第2部:実践者向け – 効果を最大化する活用術
高度な活用メリット
検索テーマを戦略的に設定することで、
- CVR(コンバージョン率)の向上
- 無駄クリックの抑制
- リードの質改善
といった成果改善が狙えます。
シナリオ別の使い方
B2B SaaS
- 「大企業 受付システム」
- 「従業員100名以上 勤怠管理」
→ 規模の大きい会社向けのテーマを設定することで、質の高いリード獲得に寄与。
ECサイト
- 「マットレス 低反発」
- 「収納付き ベッド フレーム」
→ 商品特徴に基づくテーマを追加することで、購入意欲の高い検索を拾える。
ローカルビジネス(例:ジム)
- 「◯◯駅近く ジム」
- 「会社帰り フィットネス」
→ 商圏を意識した検索テーマを設定することで、来店確率の高いユーザーを集客。

効果検証のやり方
- 検索語句レポートで確認
→ 入れたテーマがどんな検索語句に繋がっているか確認 - CPA比較
→ 検索テーマを入れたアセットグループと、入れていないアセットグループでCPAを比較 - 定期的な調整
→ 効果の低いテーマは削除し、新しいテーマを追加
実務Tips
- 少数精鋭で設定:最初は2〜3個に絞る
- 除外キーワードと併用:無駄配信を抑えられる
- シーズン性を意識:例えば「夏用 ベッド」など季節ごとに切り替え
実践結果
あるアカウントで実践した結果が以下の画像になります。30日間の結果で、下が検索テーマを設定したアセットグループです。
CV数は2件の差ですが、CPAは約4千円の差が出ました。また注目するべき点はCPCとCVRです。CPCは約5.4倍、CVRは7.1倍となりました。
このことから「検索面への配信が増加した」ことが伺えます。

まとめ
- 初心者向けの結論
- 検索テーマは「広告を出すためのキーワード」ではなく「学習を助けるヒント」。まずは少数から試そう。
- 実践者向けの結論
- リード質やCPA改善の武器になり得る。シナリオ別の設定と検証サイクルが成功のカギ。
P-MAXの強みは「自動化」ですが、検索テーマを上手く使うことでその自動化を正しい方向に導けます。ぜひ自分のビジネスに合わせて試してみてください。