はじめに

「広告費っていくらあればいいんですか?」

これは初めて広告配信を実施する人との最初のミーティング(商談)で必ずと言っていいほど最初に聞かれます。

やったことがないからわからない。広告費って高いイメージがある。など、聞く背景は様々だと思います。

しかしこちらからすると、回答に困ります。回答するとすれば「あればあるほどいい」になるかなと。

広告費は誰が決めるのか

なぜ回答に困るのか、それは広告費は広告主が決めるものだからです。

「いくらあればいいのか」聞いてくるのに、「100万円は必要ですね」と言った場合、大抵は「そんなに出せない」となります。このやり取りほど不毛な会話はありません。

そもそも事業を拡大するために広告をやるってなった際に、販促管理費として予算を決めるはずでは?という疑問があります。大きな事業会社であれば最初に予算の大枠が決まっていますよね。広告が好調であれば他から予算持ってきます!ってなりますよね。会社としてどこにいくら使うのかをあらかじめ決めておくべきです。

それを決めずに広告をやり始めるのは非常にリスクがあると思います。極論を言うと、広告をやっても売れなくて赤字が積み重なり廃業…みたいなことにもなりかねないのではないでしょうか。

広告費の考え方

では、どのようにして広告費を考えれば良いのか。やったことがなければ全くわかりませんよね。

そこで考え方として、3つのパターンに分けて紹介します。

1.やりたいこと提示パターン

広告を使ってやりたいことをリストアップしてください。「認知を広げたい」「リード数を増やしたい」などの粒度で良いです。「GoogleのリスティングとInstagramの広告をやりたい」など媒体単位でも構いません。

次に目標を決めてください。例えば「リード数を増やしたい」であれば、月間で10件上乗せしたい。と言った感じです。

やりたいこと、目標が決まれば、あとは代理店に丸投げでも良いです。そこの情報があれば、何をするためにどれくらいの広告費が必要かは過去の経験から算出することができます。3パターンの予算感でシミュレーションも作れるでしょう。その中で広告主として、やりたいことがどれくらいの予算でできるのかを見て、現実的なものを選択するのが良いでしょう。

2.獲得単価から逆算パターン

サービスを売るにしても商品を売るにしても、損益分岐点の把握はされていると思います。

例えば1万円の商品を売る場合、梱包・発送費などの他にも人件費など多くの経費がかかっています。諸々の経費を引いた後の金額が5千円だったとしましょう。そこからいくらの利益が欲しいのか、ここでは仮に2千円とします。そうすると広告費3千円以下で売ることが目標になります。

そうすると、100個売りたいのであれば広告費は30万円必要ですし、20個売りたいのであれば6万円必要になります。

この考え方が、基本的には無駄に広告費をかけることがないので理想です。

代理店に頼む場合には、運用手数料がかかるのでプラスでその金額を加味して考える必要があります。また最低予算が決まっている代理店もあるので、仮に広告費6万円だと受けてくれないところもあります。

上記を考慮すると、「獲得単価から逆算パターン」が自分たちである程度広告費を考えることができ、且つ依頼する代理店もあらかじめ精査できるので、無駄なリソースを割かなくて済みます。

3.とりあえず100万円パターン

このパターンは稀ですが、「とりあえず〇〇円でできることをやってほしい」というパターンもたまーーーにあります。大体は広告費に捻出できるお金が潤沢にある企業ですね。

ですがこれはあまりオススメしません。代理店からすると、頑張ろうと頑張らなかろうと利益は一緒。そうなると担当者は経験の浅い新人がアサインされたり、最悪の場合は最初に設定した内容から何も触れずに配信終了、ということもあります。

期末でとにかく経費使いたい企業は結構この方法をやりがちですが、この記事を読んでいる方はおそらく広告費の決め方を迷っている方々だと思いますので、関係のない話かもしれません。

広告費のオススメの決め方

個人的には「2.獲得単価から逆算パターン」がオススメです。このパターンがお互い(広告主と代理店)の目標が明確になっているので、結果にストイックに、ミーティングも意義のある内容の話ができるようになります。目標単価内で獲得できないことがあったとしても、明確な目標があるからこそ改善案はどんどん出てきます。

「1.やりたいこと提示パターン」は否定はしませんが、このパターンでよくあるのが、シミュレーションをしてみた結果、”思っていたよりも広告費が高い”や”コスパが悪い”となることです。理想と現実のギャップが大きすぎてやりたいことが全然できない、または全然費用対効果が合わない、というのは本当にあるあるです。

さいごに

ある程度は広告主側で知識を持っていないと、必要以上に広告費を取られて損をする場合もあります。私は代理店出身で現在は個人でやっていますが、悪徳と言ってもいいほどヒドい代理店をこれまでたくさんみてきました。私のところに相談に来てくださる方やスイッチしていただく企業様に現在の代理店のレポートを見せていただくと、本当にヒドい運用をされていることばかりです。

この記事をここまで読んでくださった方々は、少しでも考え方を身につけることができていると嬉しいです。