YouTube Brandcastに行ってきた(その1)

Google

2023 年 10 月 18 日、「広告効果で、選ぼう。」をテーマに、マーケターのための YouTube の祭典「Brandcast」が開催されました。今回、初めて招待されましたので、会場に行ってきました。

(会場内ではカメラ撮影禁止でしたので、写真はコレのみです)

会場内の雰囲気はと言うと、直感的な感想は

「す、すごい…!なんだこの空気は…?!」

まさに「YouTubeの祭典」と言うに相応しい雰囲気でした。

会場内では、開演まで前方のビジョンでYouTubeに関するインタビュー映像が流れていました。

参加者は、企業でYouTubeの運営・運用をしている人や、これからやり始めようとしている方々が多かった印象です。僕は1人で参加したのですが、隣には企業で美容系のマーケティングをやられているお姉様方がいらっしゃいました。(みなさんお美しくて終始緊張していました)

はい、話は戻りまして、当日のスケジュールは以下のような感じです。

  • 14:30〜16:00 Brandcast
  • 16:30〜17:30 Music Show by ???
  • 17:30〜19:00 Networking Party

Brandcast自体は1時間半で、その後にスペシャルゲストのLIVEがありました。毎回有名な歌手の方が出演されているようです。一応秘密っぽいのでシークレットにしておきます。

その後にはNetworking Partyといって交流会みたいなものが開催されました。お弁当や飲み物が提供されるので、交流会というよりも同伴者の方々で一緒に飲み食いしている方が多かったですね。

それでは内容について書いていきます。

Brandcast

アジェンダは以下の通りです。

  • Google Keynote 1:マルチデバイス化、マルチフォーマット化する YouTube 視聴
  • クリエイターストーリー:小田切ヒロ(HIRO BEAUTY CHANNEL)
  • コンテンツパートナー:佐々木紀彦(PIVOT)
  • Google Keynote 2:広告効果で、選ぼう。 – 収益性を高めてビジネスの成長を牽引するマーケティング ROI の検証 –
  • ライオン株式会社・株式会社博報堂・グーグル合同会社「クリニカPROの事例から学ぶライオンの挑戦と Google との協業」
  • 三井住友カード株式会社「学生世代の心に響くクリエイティブ戦略 ー 三井住友カードの挑戦と成果」
  • サントリーホールディングス株式会社・株式会社電通・グーグル合同会社「横断型キャンペーンにおけるマーケティング ROI の検証と今後の展望」
  • YouTube Works Awards Japan 2024 発表

1時間半しかない割に盛りだくさんの内容です。

事例紹介やトークセッションなど、様々な内容であっという間の時間でした。

Google Keynote 1:マルチデバイス化、マルチフォーマット化する YouTube 視聴

ここでは、グーグルマネジングディレクターYouTube日本代表 仲條亮子氏がスピーカーとして登壇されました。

YouTubeは今年で16周年で、2023年5月現在、月間ユーザー数は7120万人以上だそうです。

中でも45歳~64歳のユーザーはおよそ2680万人となっており、若年層のみならず幅広い年齢層の方が利用していることがわかります。

また、チャンネル登録者数も成長していて、100万人以上の登録者を持つチャンネルは、500を超え、昨年と比較して25%増えているそうです。

コロナ禍で一気に伸びた印象でしたが、コロナが落ち着いてもなお増え続けているんですね。

このことから、暇つぶしの娯楽利用のみではなく、テレビの置き換えとして利用されていることも考えられます。その裏付けが以下となります。

マルチデバイス、マルチフォーマットでの視聴が浸透

ここ数年、インターネットに接続されたテレビデバイス「コネクテッドテレビ」(以下、CTV)での視聴が急増していて、YouTubeが成長している要因の1つが、この「マルチデバイス化」にあるといいます。

2023年6月現在、CTVのYouTubeの月間ユーザー数は3800万人以上。つまり半数以上がCTVで視聴していることになります。

移動中や空き時間にスマホで見るだけではなく、家にいる時にテレビで録画した番組を見るのではなくYouTubeを見ている人が増えているわけです。

こういった背景から、CTVは広告の配信面としても注目が高くなっていて、CTVでのYouTube広告の効果も高く見込めるそうです。以下はGoogleの発表からの引用になります。

地上波のテレビ CM と YouTube CTV 広告の検索リフトを比較検証したところ、1 インプレッションあたりの検索数の増分は、テレビ CM よりも平均 34% 高いという結果が出ています。

https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/youtube-recap2023-2/

これはGoogleが以前発表した、「能動的な視聴」が関係しているのではないかと思います。

詳しくはこちらを参照してください。

「能動的な視聴」をしているからこそ、従来のTVCMよりも印象に残りやすいのではないかと考えられます。

また、TVCMは15秒CMが4本=1分が一般的な長さに対し、YouTubeは6秒や15秒など比較的短い広告になります。また長い広告でもスキップができるので、YouTube広告中にトイレに立ったりスマホをいじったりする人は少ないのではないのでしょうか。

さらに、万人向けに配信するTVCMに対し、YouTube広告はターゲティングをしているため、全く興味関心のない広告は少ないように感じられます。

以上のことから、広告の効果も高まっていると考えられます。

ショート動画の拡大

そして個人的に一番注目していた「YouTubeショート」に関してです。

2023年7月の調査では、YouTubeショートの1日あたりの平均視聴回数は前年比 110% 以上の増加と大きく成長、またZ 世代(18歳〜24歳)のうち70%はYouTubeショートを利用していると回答しており、特に若年層の利用が進んでいるそうです。

直近ではGoogle広告でも、デマンドジェネレーションキャンペーン(旧ファインドキャンペーン)で、新たにYouTubeショートが配信面に追加されており、こういった背景を踏まえてだと考えられます。

冒頭紹介したYouTubeに関するインタビュー映像でも、「動画を見るほどの時間は無い時に、短いショート動画は見やすい」といった理由でYouTubeショートを視聴する人もいました。

使われ方の違いもあるため、今後より一層利用するユーザーは増えていくと考えられます。

例えば、資格対策のYouTubeチャンネルがあったとしましょう。

30分の長尺講義動画の配信に合わせて、簡潔に要点をまとめた1分のショート動画を配信することでさらにユーザーの獲得ができると考えられます。

1分のショート動画であれば、試験前の移動中の電車の中や、休憩時間中に確認することができるため、あらたな需要に対応することができます。

クリエイターストーリー:小田切ヒロ(HIRO BEAUTY CHANNEL)

ショート動画をうまく活用しているのが、チャンネル登録者数100万人を超えるYouTube チャンネル「HIRO BEAUTY CHANNEL」を運営する小田切ヒロさん。

すみません…存じ上げませんでした…

お隣に座られていたお姉様方は普段から見ているらしく、テンションアゲアゲで大歓喜でした。

「ショート動画のニーズが高いことを受けて、通常の長尺コンテンツとは別に、60 秒で簡潔に楽しく伝えるビューティー情報やトレンドを押さえた動画を配信しています」

https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/youtube-recap2023-2/

とあるように、通常の長尺動画とショート動画を使い分けています。

小田切さんの動画は、冒頭で「あんたたち~」というみたいですね。僕は「あんたたち~」というとONE PIECEのボンクレーしか出てきません。

なぜ「あんたたち~」というのか。小田切さんはこう言っていました。

「ショート動画では最初の1秒で引き付けることが大事。少し失礼かもしれないが、視聴者の関心を引くとともに、親しみやすさをアピールする私なりの工夫」

なるほどです。たしかに関心は引かれますよね。あとは印象にも残りやすい気がします。

また小田切さんはショート動画のTipsも紹介していました。

「ショート動画はなんといってもインパクトとメリハリが大事。短いコンテンツだからこそシンプルであるべき」これを具体的にすると以下3つです。

  • 表現を大きくすること
  • 難しすぎないこと
  • 抑揚を付けること

1つ目の「表現を大きくすること」。スマホ視聴者が多いことからテロップの文字を大きくしたり、顔を近づけたりする。

2つ目の「難しすぎないこと」。端的に情報を伝えてシンプルに理解できる動画を作る。

3つ目の「抑揚を付けること」。表現や音で演出面で抑揚を付けている。内容によって効果音を変えるなどして印象付けることができる。

この3つを意識して動画を制作してみてください。きっと登録者数100万人いけます。

本当は各アジェンダのことを書こうと思いましたが、思ったよりボリューミーになったので、続きは別記事で更新します。

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