今ではGoogle広告の主流となっているPMAXキャンペーンですが、成果が出やすいのはBtoCサービスという印象が強くあります。
もちろんBtoBサービスでもPMAXキャンペーンは一定の効果を発揮する可能性がありますが、慎重に運用する必要があります。
PMAXの全自動化された最適化は、BtoCでよく使われる手法ですが、BtoBの特徴を考慮すると、そのメリットとデメリットが異なるため、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
BtoBサービスにおけるPMAXのメリット
- 広範なリーチ
- PMAXは、複数のGoogle広告チャネル(検索、ディスプレイ、YouTubeなど)を一括して管理し、幅広いプラットフォームでの配信が可能です。これにより、BtoBの潜在顧客がいるかもしれないあらゆる場所にリーチできます。特に、リードジェネレーションが目標のBtoB企業にとっては、新しい市場開拓に役立つ可能性があります。
- 自動最適化による効率化
- PMAXは、広告の配信やクリエイティブを自動で最適化し、目標達成に向けてAIが動きます。これにより、運用負担が軽減され、特にリソースが限られたBtoB企業では効率的な運用が期待できます。
- コンバージョンを中心とした最適化
- 特に問い合わせや資料請求など、コンバージョンが明確な場合には、Googleの機械学習がコンバージョンに最適化され、目標達成に寄与する可能性があります。コンバージョンデータが十分に集まれば、パフォーマンスが向上しやすくなります。
BtoBサービスにおけるPMAXのデメリット
- ターゲットの精度が低い
- BtoBでは、ターゲットとなる企業や役職者が非常に限られていることが多く、特に中小企業や業界特化型サービスにおいては、PMAXの自動化では正確にその層を狙えない可能性があります。PMAXの機械学習は幅広いデータをもとに最適化されるため、ターゲット精度に欠けることがあります。
- 高品質なリードが得られにくい可能性
- PMAXは広範なリーチを持つ反面、特定の企業規模や業種に絞り込むことが難しいため、小規模な企業や一般消費者が広告に反応することが多くなり、質の高いリード(例えば大企業や意思決定権を持つ担当者)にリーチするのが難しくなることがあります。BtoBではリードの質が非常に重要なので、PMAXがターゲティング精度を欠く場合、結果的に成果が伸び悩むリスクがあります。
- コンバージョンに至るまでの長い購入プロセスに不向き
- BtoBの購買プロセスは一般的に長く、複数の関係者や段階を経ることが多いです。PMAXは短期間でのコンバージョンに強みがありますが、BtoBのように長期間の関係構築が必要な場合には、リターンが見えにくいかもしれません。
- 配信の透明性とコントロールが不足
- PMAXはどのチャネルで広告が表示されたかや、特定のパフォーマンスデータにアクセスすることが難しく、細かい調整ができません。BtoBマーケティングでは、特定のチャネルやフォーマットでのパフォーマンスが重要になるため、柔軟なコントロールが必要になることがあります。
BtoBでPMAXを成功させるためのアドバイス
- 他のキャンペーンと併用
- PMAXだけに依存せず、リードジェネレーションを狙った検索キャンペーンや、特定の企業を狙うアカウントベースドマーケティング(ABM)のような他の施策と併用することが重要です。これにより、ターゲット精度を保ちながら広範なリーチも確保できます。
- 明確な目標設定
- 資料請求やデモリクエストなど、具体的なコンバージョン目標を設定し、それに基づいたキャンペーンを構築することで、PMAXの機械学習が適切に働きやすくなります。
- コンバージョン値を使用した運用が上手く事例も多いです。階層ごとに割り振ることで、より深い階層のコンバージョンに至りやすいユーザーへの配信ができる可能性があります。
- 継続的なモニタリングと調整
- 自動化に頼りすぎず、定期的にデータを確認し、リードの質を精査することが大切です。成果が上がっていない場合、クリエイティブやターゲット設定を見直すことが求められます。
まとめ
BtoBサービスでもPMAXキャンペーンは活用できますが、広範なリーチを活かして新しい見込み顧客を獲得する一方で、ターゲティングの精度やリードの質に対する注意が必要です。特に大企業や特定の役職者にリーチしたい場合、他のキャンペーンタイプとの併用やターゲティングの工夫が求められます。